製作委員会の話の続きです。
(過去の製作委員会の記事をご覧になりたい方は左の「製作委員会」項目をクリックしてください。)
製作委員会は「座組」と言われるメンバーで構成されますが、今回のキーワードは「窓口権」です。
「窓口」という単語だけを見ると旅行窓口や郵便窓口みたいな名前で不思議です。
言葉の由来はわかりませんが、たぶん受付「窓口」から来たのではないかと思っています。
製作委員会は、出版社、テレビ局や映画会社、制作プロダクション、DVD&BDメーカー、芸能
プロダクション、音楽、配信会社、商品化するメーカーなど異業種で構成されています。
その専門領域での販売権を製作委員会から供与された販売権利のことを販売窓口交渉権(略して
窓口権)としています。
窓口権は「権利」の一つですが、法律上に存在する用語ではありません。
例えば、テレビ局にはローカル局のネットワークがあるので、番組販売(通称、番販)の地上波
放映権の窓口になったり、広告代理店はスポンサーのルートがあるので、商品化権の窓口に
なったり、得意とされる分野の権利を持ちます。
玩具メーカーだったら、おもちゃやプラモデルなど商品にする窓口権を取得することになります。
窓口権で主なものは、
・放映権-地上波テレビ、BS/CS 放送のアニメチャンネル、映画チャンネルなど
・海外番組販売(海外番販)権-海外テレビなど
・劇場上映権-配給・興行、(海外配給)など
・公衆送信権-ブロードバンド放送/モバイル放送・配信など
・ビデオグラム化権-DVD、BDなど
・商品化権-玩具・文具・食品、アパレル・フィギュアなどのグッズ
・ゲーム化権-パッケージゲーム、オンラインゲーム、モバイルゲーム、ソーシャルゲーム、
アプリなど ※ゲーム化権は商品化権に含まれる場合もあります。
それぞれ専門特化した会社が窓口業務を行います。
法律用語の「放映権」「上映権」「公衆送信権」が気になる方は用語集をどうぞ。
上記が全てではないため、もちろん漏れるものもあり、その場合、製作委員会での話し合いに
なります。
例えば、製作委員会を組成してから、新しくゲームアプリを制作したい会社が現れた場合
既にゲーム化権を持った会社がゲームアプリを制作する意志がなければ、権利が空いて
いるので、そこで初めてゲームアプリの会社の企画を検討することになります。
(余りガチガチに決めていることがないため、その都度話し合いがあったりします。)
その結果、条件が揃っていればゲームアプリ会社は権利を許諾してもらえることができます。
逆に、企業規模と業務範囲が大きくなりすぎて、異業種といっても本業以外に多角化している会社
も増えているので、互いのビジネス垣根を越えてしまうこともあります。
そういった場合、出資に応じた窓口権が付与されるので、企業間の問題を起こりにくくしています。
では、窓口権のメリットって何?と思われるでしょう。
販売してもいい権利を与えられているメンバーは、「窓口手数料」という形で報酬を得ることが
できます。
それ以外に参加メンバーからの著作権許諾料が製作委員会に集まり、別途、他の企業からの
許諾料も合算した上で、出資持分比率で分配されます。
ただ、最近はDVDやBDなどの販売や海外販売が思ったように行かないため、収益の確保の方法に
少し変化があるようです。
これはまた後日別テーマでお話します。
製作委員会を構成する理由には多額な予算を集められ、各社でコンテンツを育て広めていくことが
できることですが、予測不可能なことも多いので、収益が悪ければ、そのコンテンツの展開も閉ざされて
しまいます。
それで、全くの新作よりも、シリーズ化が増えている理由のひとつでもあると思います。
一概には言えませんが、コンテンツのヒット法則が
コンスタントな露出×時間の経過=コンテンツ価値向上
であるのであれば、シリーズ化して露出を高め、ロングランになることだと思います。
製作委員会でひとり勝ちにならず、それぞれWin-Win関係が構築できているのがベストですね。